30日目 アルメニア・エレバン散策

インターネットで正しい情報を手に入れることは難しい。正しい地味な情報は誤った派手な情報に埋もれ、見る側は確認する術を持てない。結局は自分の目で確認する他ないのだ。個人的にはこの街で噂の検証を行っていきたい。

世界の車窓から。今日は、アルメニアのディリジャン地方からお送りします
こんな日の出も悪くない。
鉄道の窓は汚れている。
アルメニアのエレバンに到着。

4両編成の車両で、約10時間30分の旅。2~3年前にタイ・バンコク~カンボジアのシェムリ・アップ~ベトナム・ホーチミンをバスで移動した際は中々の地獄だったが、鉄道の旅はいたって快適であり、快眠できた。到着1時間前になぜかシーツを剥ぎ取られて寒い思いをするなど意味の分からないこともあったが、シベリア鉄道へ乗るための良い予習ができた。

FC東京カラーの車両ともお別れ。

同じ旅路で来た東アジア人をよく見かけた。中国人が多く、台湾人が一組。単独の日本人の方が一人。全て見た目での判断であるが、大体分かるのである。

無一文のため、まずはATMでお金を下ろす。

アルメニアの通過はDRAM(ドラム)。「10,000ドラムを選択すると10,000ドラム札が出てきて全てのお店で受け取り拒否されてゲームオーバー」のような旧ソ連的なシナリオにうんざりしているため、自然と9,000(5,000+1,000*4)ドラムを選択していた。日本円にすると2,000円である。

台湾の九份のような。
4両編成。旧ソ連(CIS)のメトロで、今回初めて地上を走るものを見た。
アルメニアもジョージア同様に固有の文字があり、外国人にとっては非常に不親切である。
拡大すれば分かる。「何一つ」分からない。

アルメニアへの滞在は2泊3日のみ

事前に簡単に予習してみた限りではアルメニアに対してあまり期待できず、2泊3日のみ滞在予定とした。今回は事前にエレバンから直接5/4(金)午後のイスタンブールへのフライトチケットを購入しておいた。現段階ではアルメニアに対して悪くない雰囲気を感じている。本日の散策次第では後悔することになるかもしれない。

噂の検証コーナー

珍しがられるか
少し珍しがられるような目線は感じた。嫌ではないため、少し街の郊外の方にも足を伸ばしてみたい。

英語は通じるか
おじいさん世代でも頑張って英語で伝えようとしてくれる。街の人は親切だ。

アルメニア女性は美人かどうか
ジョージアやアゼルバイジャンとの違いは特に感じられない。

ジョージアより街の人は大分親切だ。差別を感じない。正直ジョージアは酷かった。
SIMはここで手に入れることができるようだ。朝7:30のためまだ開いていない。
蛇口からは水が垂れ流しとなっている。
世界ふれあい街歩き。朝は誰もいない。
黄色いスクールバス 可愛げな子どもたち

今回もAirbnbの民泊にトライ

海外に住む日本人を訪問する番組よろしく、早朝の街角で「このフラットを探しています」と聞き込み調査をする。そもそも住所システム自体が不完全なため、GoogleMapもアテにはならない。なんとか親切な街の方々に方角だけを導き示して頂くこと4回、それらしきアパートメントへたどり着いた。

住所表記のアルマニア文字は読めない。考えるな、感じろ。
今回の宿(2泊)はこちらのアパートメント。おそらく。
入り方もなかなかの難易度だった。
早朝にも関わらずお邪魔させていただいた
一泊3,000円ほど。
一応金額的には一番いい部屋
今回は貸し切りではなくオーナー同居となる。
オーナー女性(Annaさん)の自画像
部屋からはアララト山(標高5,137m)が見えた。トルコの方面である。

地理関係のおさらい

コーカサス3国の図は上図のようになる。アルメニア・トルコ間の国境は、先日のアルメニア人のおじさん曰く封鎖されているとのことであるが、その類の情報はコロコロ変わるため書くべきかどうか分からない。アルメニアからトルコへの直通フライトは以前はなかったようであるが、今はAtlas airlinesなどが就航している。

エレバンの街歩きスタート

お昼過ぎまでPCで作業をし、そろそろ街に出てみることにした。宿のオーナーさんからチャイとチョコクッキーを頂き、街で何か面白いスポットなどないかを訪ねてみたところ、
Today, all shop, close
と言い出す。一体何のことだろう。本日は5月2日水曜日、国の祝日か何かだろうか。

“Airport, metro, shop, today no, close.”
“Everything, all stop.”
“Revolution.”
“Government, no good. In Armenia, people good. government verrrry bad.”
“Maybe, five day, six day, all close.”

歴史的なデモが発生していた

話によると、なんとデモが発生して街の機能がストップしているというのである。なんということだろう。面白い状況には変わりないため、運がよいのか悪いのかわからないが、歴史的な暴動が発生しているようである。明後日のフライトチケットは取得しているため、空港が利用できないなんてことは考えづらいし、実際に朝一駅だけだがメトロを利用して移動してきた。多少オーバーなのだろう。

調べてみた所、どうやら街がとんでもないことになってしまっている様子。政治に興味のない私がざっくりまとめると、4月の下旬から続いている政治的混乱が昨日5月1日に燃料追加で本日街が大炎上しているようなのである。そういえば外の通りからブブゼラと太鼓と叫び声が聞こえている。NHKの記事を見た限り、明後日の空港機能停止がやや現実味を帯びてきてしまった。面白そうなので早速街に出てみることにした。

とその前に、まずは落ち着いてインターネット通信の確保。どの街でもまずはお約束のSIMカード購入。この国の通信会社はVIVACELL一強のようである。通信会社のお店は開いていてよかった。

2GBで2,500DRM (568円)。
受付待機中。何やら外が物々しい雰囲気になってきた。
物々しい車が街を占拠していた。

火炎瓶が飛び交うような修羅の世界かと思いきや、どうやら和やかなお祭りムードのようで拍子抜けしてしまった。雰囲気が伝わりづらい写真のせいで申し訳ないが、鼓膜に影響が出そうなほどの音量のどんちゃん騒ぎである。

少しも暴動感がなく、ワールドカップ優勝のお祭り騒ぎかというほどに賑やかである。大通りが全てホコ天になっていたので歩きやすかった。

踊り狂う少女たち
牧歌的な音楽を大音量で流し、みんなで輪になって踊っている
軍用車の他にはクレーンも動員
相当市民から嫌われている様子の大統領

アルメニアの人口は300万人。首都エレバンの人口は110万人。話によると25万人がデモに参加している様子。今日の話なのか、先月末からの累計なのかはわからないがとんでもない話である。写真では伝わりづらいが、街は人で溢れかえり、アルメニアの三色旗のフラッグを身にまとい、歩行者天国となった大通りでバレーやサッカー、ストリートライブで盛り上がり、緑の公園で寝そべる人たち。

ニュースを聞くと緊迫した雰囲気が漂っているが、実質的にただのお祭りであった。街中に笑顔が溢れ、顔をしかめた人なんて誰一人いない。この国はよくわからない。今日に限ってはいろんな法律が無礼講(?)のようで、ショベルカーのショベル部分に乗りながら街を乗り回したり、自由そのものである。

数十年に及んだ戦争がまるで今日終結したような、あるいはW杯の決勝でブラジルやドイツを破り優勝したような、激しい歓喜に街が包まれている。行き交う人々はみな大声で”Victory!”と叫び、喜びを爆発させている。不思議に思い改めてニュースを確認してみると、このデモの名目は
『野党指導者の首相選出が否決されたことに抗議』
とある。何一つVictoryの要素がなく、むしろ何も叶っていない。
アルメニアは不思議な国である。