男性同士、女性同士でも抱擁しあい、右頬と左頬にキスをし合う挨拶にも慣れてきた頃合いである。アゼルバイジャン人、通称アゼリー人は気さくであり、これまでの国で経験したことがないほどに陽気である。通りすがりの人々と自然とウインクで挨拶をし合うようになるほどにいつしか私の心はほぐれていた。
街全体が今週末に開催されるF1のグランプリのためにレース仕様へ変更中であり、歩行者としては歩きづらい。







アゼルバイジャンのプロサッカーを観戦
市街地から車を走らせること約10分。シャファ・スタジアムにてアゼルバイジャン・プレミアリーグのFC Inter Baku(ホーム)vs Zira(アウェイ)の試合を観戦した。
会場にてチケットを購入するような想定でいたが、チケットオフィスは見つからず結果として入場自体が無料であった。自国のリーグに人気がないのか、ホーム、アウェイのサポータをそれぞれ合わせても200~300人程度であった。


ディープでコアなカラオケ体験
地元の少年たち(19~20歳)に異常なほどに歓迎されている私は、今日も半強制的にあちらこちらに連れて行かれた。Youtubeの動画をそのままキャストするスタイルのこのカラオケ店は、高級カーブランドを各部屋のデザインテーマとしており、本日は私のためにメルセデス・ベンツのお部屋を予約したとのことである。
遡ること7年前。2011年の5月に初めて台湾を訪れた際、桃園空港についたその日の夕方には私は高雄のカラオケボックスにいた。私以外の台湾人十数名が中国語の曲で大はしゃぎの中、当時何もわからない私はただ困り果てていた。
その当時の反省が生かされず、カラオケに行く流れとなってしまった。分からない言葉に囲まれたカラオケは、単なる地獄である。意思表示は比較的ハッキリする方であり、正確には何度も拒否したのだが、嫌よ嫌よも好きといった具合であった。早い話が拉致である。
アゼルバイジャン語かロシア語かも分からない楽曲が延々と流れ、B-BOY達は叫び、踊り狂う。水煙草も登場し、地獄の宴が延々と続く。何も楽しくない。
相変わらず、『私がアゼルバイジャン語(ロシア語)を理解できない』という事実自体がひょっとすると認識されていないのではないかと本気で心配になるほど、未だに私に英語以外の言語で話しかけてくる。一カ国目から常に不思議に思っているのだが、彼らにとって「言語Aが通じない」状況の解決策は「言語Bで話す」ではなく「言語Aでもっと激しく話しかける」のようである。

