ビシュケクのタクシードライバー

結論から言うと、ドライバーはキルギス人ではなくロシア人であった。

ロシアの友人がいるためあまり悪いことはいいたくないが、ロシア人とあまり馬が合わないのかもしれない。キルギスの人とは、本時点までの間一人として嫌味な人に会っていない。その一方、一人も気持ちの良いロシア人と出会っていない。

今回の旅はタクシー運が悪いようにも思う。
基本的にメーターなどという便利なものは一般的でなく(あるにはあるらしい)、言ってみれば全て闇タクシーのようなもの。

アルマティから乗り合いワゴンでビシュケクへ入った後、バスターミナルからホテルまではおよそ5km程度離れた場所にあった。カザフスタン人のワゴンドライバーにいくらかチップを渡し、ホテルまで連れて行ってくれないかと尋ねると、タクシーのドライバーを連れてきた。

タクシードライバーに住所と行き方を伝え、連れて行ってくれるように頼んでくれたようである。

「200ソム(=300円)渡せばOKだ」

そう言い残し、カザフスタン人のワゴンドライバーは去っていった。長距離運転お疲れ様である。

その後のこのタクシードライバーがなかなかのクズだった。

キルギスの通貨「キルギス・ソム」(100KGC=150円)がないことは事前に重々伝えており、先にATMに行く必要があることもくどいほど伝えていたが

1. 「ATM(ガソリンスタンド脇)まで案内してやった」
→100ソム(150円)追加でよこせ

2. 「メーターを見ろ、ガソリンがない。ガソリン代を払え」
→300ソム(450円)追加でよこせ

3. 「お前が来るまでに俺はバスターミナルでずっとお前を待っていた」
→300ソム(450円)追加でよこせ

4. 「ATMででお前を待っていてやった」
→100ソム(150円)追加でよこせ

5, 「ホテルが分かりづらい場所にあって迷った」
→100ソム(150円)追加でよこせ

6. 「このカーブを曲がるのが大変だ」
→100ソム(150円)追加でよこせ

バスターミナルからガソリンスタンドまでの距離は歩いた方が早いほどであったが、2の時点でこいつはアカンと思った。200ソム分だけ渡して出ようとした。
すると運転席から出てきて、ケツで後部座席のドアを押し付けてくる。
私は後部座席のドアに体半身を挟まれ、体がくの字に曲がる、少し苦しい格好に。ここで私が車から出る格好になってしまえば、中の大切なバッグだけが人質(?)として車の中に残ってしまうまずい展開になるため、車のドアを閉めさせてはいけなかった。

もはや一触即発の空気である。
金額なんて取るに足らない額で、単純に精神的に疲れてしまうのが嫌だった。
初めての国の暗闇に近い町の郊外で、闇タクシーのおじさんと小競り合い。

その後、

・バッグと共にタクシーから脱出するも、横につけて追いかけてくる
・タクシーから出てきて、私が道を聞いていたキルギス人夫婦にロシア語で告げ口(?)
・その後なぜかそのキルギス人夫婦から怪訝そうな顔される
・半ば無理やりタクシーに乗せられるハメに

その後は3~6の通り、酷いものであった。
「ホテルのレセプションで話をしよう」とし、なんとかホテルまで着いた。

ホテルのレセプションの知的そうなお姉さんが、ゴミを見るような目でタクシードライバーを見遣る様が面白かった。お姉さんの仲裁の結果、300ソムだけの支払いで解決し、ロシア人ドライバーは悔しそうに去っていった。

正直この時点で中央アジアのタクシーに対して相当辟易している。
お姉さんありがとう!